メンターとメンティの物語

今思えば、子供のころはダルタニアン目線で見ていた。
様々な壁を突破していく、怖いものしらずのダルタニアンの痛快さ。
それは、現在でも変わらないのだが、今の年齢で見るとアトスやポルトスあたりの目線で物語を追ってしまう。
ダルタニアンという青年をどう導くか。
三銃士はピークを過ぎた存在であり、ダルタニアンはこれからピークを迎える存在。
三銃士目線ではダルタニアンはライバルではないのだが、ダルタニアンからは全てがライバルに見える。
そのすれ違いの様子が面白い。(三銃士目線で見守ってしまう)


三銃士はメンターとメンティの物語だ。
実際、一人の若者に対して3人のメンターというのは有効だと思う。
できればローテーションで3人ではなく、同時に三人というのが良い。
ステレオタイプな三人(であればなお良し)を見て勝手に学ぶし、一人と気まずい空気になっても周りがフォローしてくれる。
企業でもやればいいんじゃないかな。


早い段階に、複数の人間の仕事のやり方をながめる事の効果は、説明の必要もないと思うがどうだろう。
企業では、意外と自分の仕事は見せないで、教えようとかアドバイスしようとかしているのではないか。
これまで見てきた範囲では、自分の仕事の手順を人に見せることになれていないし、むしろ隠していると思う。
メンターは教育しようとか、良いところを見せようとする必要はないと思う。
いっそ失敗の過程を見せたほうがむしろ役に立つ。
大事なのは結果と過程を両方見せることだと思う。
そして「なぜ俺が失敗したか良く考えてみろ」と言ってやれば良いのだ。


これまで役にたった事とこれから役に立つ事は違う。
メンティーはメンターの仕事ぶりを見て考察し、何がこれから役に立つか考えるのが仕事。
そして、組織に貢献できるメソッドを構築する事で銃士の仲間入りをするのだと思う。
結果だけなら出るのが当たり前。
裏で三銃士がバックアップしてくれているのだから。