家と家業

家が機能していれば、どの世代の金や職を手厚くするかなんてどっちでも良い(結局は同じ)ではないかと思う。
どちらかと言えば(自分の感覚では)子が親を見捨てても、親は子を見捨てないんじゃないかと思っている。
なので、それなら国が金を預けるなら親の方かなぁ。
そして仕事を与えるなら、若い人に与える方が理想なのだとは思う。
自営業であればそれが可能(職を譲るタイミングを親が決められる)だし、結構な期間、親と子は一緒に働く。
今の状態は、一切を国や会社に預けちゃったツケなんだろう。
といっても今の時代、家業を続ける事自体が困難だし。


祖父の代は、農家で、父は田舎では成績が良かったらしく上場企業に就職した。
そして自分は、地元、九州をはなれてのこのこ東京に出てきてこっちで働いている。
今、田んぼは隣の人に貸している状態らしい。
自分には、子供はいないけど、もし子供がいて、将来、職につけなかったら『どうして農業辞めちゃったの』と父と私は責められるかもしれない。
また、今、職を得られない人からは『お前は田んぼがあるのになぜそれを耕さない』なんて言われるかもしれない。
自分の意思で仕事を選べてラッキーだったとは思うけど、若干の罪悪感めいた感覚がないとは言えない。


選択の自由もなく家業をついで行く旧来的な生き方と、やりたい(一時の気の迷いであっても)事を自分で選ぶ事が可能(なように見える)生き方。
当たり前だけど、一長一短。ただ、不自由や強制も本当は悪い事ばかりではないのだろうと、最近思う。