気がつかなかった。がーん。

君がいない夜のごはん

君がいない夜のごはん

面白かった。
後書きに、「食べ物のその周辺についての文章をまとめた本です」とあってビックリ。
気がつかなかった。がーん。(タイトルで気付け)
と、そのくらい面白く読めた。


歌人の穂村さんらしく、一文、一センテンスどころか、選ばれた単語だけで可笑しい。
本当は、一日に一つずつ読んで、身の回りに置き換えて楽しんだり、突っ込みをいれたりした方が楽しかったと思う。
一気に読んでしまったけど、これから読む人には一日一つ、もしくは毎食後に少しずつの読書をお奨めしたい。


以下、引用。(お気に入り)

*未読の方はご注意を。
*読後には、なぜこんな引用をしたのかご理解いただけるのではないかと。

「そんなの書いてあるわけないでしょう?」

友人が僕の知らないところで「ミゲル」にねえ。

それは「躾」っていうんだよ、

これが「盛り合わせフライ定食」ではまずいのだ。

今でも妻は「ハニートーストくりぬき女」として、

「つまり、そいつは米だ」

ヒトツデイロンナアジガタノシメル

私は全然いいんだけど、脳が怒る。

文庫本が京極夏彦であればあるほど、

「牡蠣に当たったことのある奴と、当たったことのない奴だ」

「当事者意識が足りないよ」

「私の手の動きが見えるの?」

「みんなタコヤキを片手に入ってくるからです」

「飲む飲む毎日飲む」

「あれは魚です」

「四番打者不在の打線」

いきなりマロンクレープから入るのだ。

静かに髪が逆立った。

一体、何をどう間違えていたのか、恐ろしくて尋ねることができなかった。

「さっきのは特選和牛ヒレだね」

「これ以上、電化製品が壊れませんように」

「この子たち、生まれたときからアイスクリームがハーゲンダッツか」

二冊とも下巻だった。がーん。

二〇三〇年くらいには私もアムラーになれると思う。

「リズムですね」

「私はエアー系かな」

それは「私のラーメン」じゃない。

「酸っぱいですよ。蟻酸かな」

「たまにはいいと思うんです。夏だし」

「(ほっとする)」